手織り絨毯の産地 AFGHAN・PAKISTAN・INDIA

AFGHAN <アフガン・アフガニスタン>

アフガニスタンは、南アジアに位置し、中央アジアやコーカサス諸国、イランなど多くの国々と隣接しており、数千年も前から遊牧民族によって絨毯が織られていたようです。パシュトゥーン人を始め、トルクメン族など多くの民族があり、強くて使いやすい絨毯が織られていました。

アフガニスタン絨毯はウールで織られたものが多いですが、羊毛だけでなくヤギの毛や時には馬の毛も使われていました。

デザインは素朴で明快であり、幾何学模様がほとんどです。象の足跡のようなボハラ柄も見られます。

色彩は暗めの異なるニュアンスの赤色をメインとし、落ち着いた雰囲気を醸し出します。

 

PAKISTAN <パキスタン>

パキスタン絨毯は、16世紀ムガール帝国アクバル皇帝がペルシャから織職人を呼び寄せたのが始まりとされています。繁栄後、戦争により絨毯も衰退、1947年インド独立により、多くのイスラム教の織職人がパキスタンに移住し、再び絨毯製造を始めました。

パキスタン絨毯は光沢が魅力的です。これは「ケミカルウォッシュ」と呼ばれる仕上げを何回も行うからです。今日、パキスタンのカーペットは、輸入された良質な羊毛にて製造され、これらの絨毯はシルク絨毯によく似た美しさです。

デザインは、主にブラハ紋、像の足型紋と呼ぶもので、これはギュルとも言われます。それは遊牧民族のトルクメンの紋章でした。各部族のモチーフを取り入れて織られ、様々な紋様があります。一方でペルシャ絨毯の様式を受け継いだものもあります。

パキスタン絨毯はシングルで織られているため、ダブルに比べると柔らかく、薄手で軽量です。ペルシャ絨毯と比較すると身近に取り入れやすい価格で、手織りで丈夫な点においては変わりない点が人気のようです。

 

INDIA <インド>

インド絨毯は16世紀ムガール帝国の繁栄により、宮廷で絨毯を使用するためペルシャから持ち込まれたと言われています。熟練したペルシア織職人がインドにつれてこられ、16〜18世紀の間、素晴らしい絨毯が織られました。

インド絨毯は北インド産と南インド産で特徴が異なります。

北インド産はムガール調でつまりペルシャ風のデザインで色彩は鮮やかな赤が使われています。パイル織は縦糸の重なり具合により頑丈になっています。

南インド産はデカン地方で、決まったモチーフ、総状花序紋様が見られます。色彩は柔らかなピンク、明るいベージュが使われました。織りは縦糸の重なりが浅く、堅牢性が下がります。暑いイメージの南インドですが、毛足のある羊毛製の絨毯が伝統的に織られていました。

cof