ペルシャ絨毯の産地 KASHAN

KASHAN <カシャーン>

イスファハンとテヘランのちょうど真ん中に位置し、カヴィール砂漠と緑地帯に挟まれた小さなオアシス都市。シルクロードを旅する人々の憩いの地であり貿易の要所として知られます。古くから繊維と陶器が有名で、19世紀から残る多くの商家、素敵な庭園、バザールは観光客を魅了しています。
手織り絨毯とビロードなどの手織り絹織物の産地として栄えたカシャーンの絨毯は花やつる草、シャーアッバス模様をアレンジしたムストフ模様で知られ、奇をてらったようなデザインはありません。菱形メダリオンや、全面アラベスクといった構図が多く、赤やベージュを基調とした鮮やかな色彩の古典的な伝統の傑作を作り続けています。

世界最大で最も豪華と言われている「アルデビル絨毯」はカシャーンで作られたとされます。
サファビー朝時代に最盛期をむかえ、18世紀初頭の滅亡により絨毯も途絶、19世紀末に復興します。輸入品のメリノウールを使用した「マンチェスターカシャーン」など、多彩な作品が登場します。

第二次世界大戦により、品質が低下した時期もあるものの、ペルシャ結びで高密度ノットの丈夫で実用的な製品が多く、またシルク絨毯も制作されるなど様々な品質の絨毯があります。